目次
ページトップ居飛車穴熊の組み方組み途中で攻められたら藤井システムの攻めと対策穴熊を見送って別の囲いにする組んだ後の攻め方狙われやすい場所と守り方穴熊を崩す手筋実戦で流れを確認するよくある質問

穴熊囲い(居飛車穴熊)の組み方12手|弱点と急所を盤面図で解説

公開日:2026年8月16日|最終更新:2026年9月10日

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玉が盤の四すみ、香の下にもぐる囲いを「穴熊」といい、居飛車で組むのが「居飛車穴熊」(略して「イビアナ」)。昭和51年にデビューした田中寅彦九段がこの囲いで勝ちまくり、振り飛車を相手にする作戦として広まった(それ以前に升田幸三が大山康晴の四間飛車に使った例もある)。

居飛車穴熊は、手数をかけて堅い守りを作り、攻め合いで勝負する囲いです。組み途中で攻められると危険ですが、完成後は玉の堅さを頼りに攻めを続けやすくなります。

メリット

  • 王手がかかりにくい:完成図のように玉の周りがふさがっていると、持駒を打つ王手を防げる。
  • 攻め合いに強い:玉の堅さを生かし、大駒を切って攻める手も選べる。

デメリット

  • 完成まで時間がかかる:基本形でも自分の手で12手かかり、組む途中の急戦には注意が必要。
  • 端が弱点:端の歩や桂を使った攻めで、玉の近くを狙われる。
  • 駒が左側にかたよる:金銀を囲いに集めるため、中央や右側の守りが薄くなる。

使いどころ:こちらが居飛車、相手が角道を止めた振り飛車で、じっくり囲い合えるとき。

陣営:居飛車/系統:穴熊系/組む手数:12手

項目点数
横の耐久力90
斜めの耐久力60
上部の耐久力50
端の耐久力30
玉の広さ10
玉の遠さ95
囲いやすさ35
陣形バランス45
進展性75
9項目の評価基準(100点満点・5点きざみ)
  • 横の耐久力:横からの攻め(飛車)にどれだけ耐えるか
  • 斜めの耐久力:斜めのラインを使う攻め(角)にどれだけ耐えるか
  • 上部の耐久力:玉の頭(上)からの攻めにどれだけ耐えるか
  • 端の耐久力:端からの攻めにどれだけ耐えるか
  • 玉の広さ:玉の逃げ道がどれだけ多いか
  • 玉の遠さ:玉が戦いの場からどれだけ離れているか
  • 囲いやすさ:少ない手数で、迷わず組めるか
  • 陣形バランス:守りに駒を使いすぎず、攻めに回す駒が残るか
  • 進展性:そこから別の形へどれだけ発展できるか

0=働きがほぼない/25=弱い/50=標準的/75=強い/100=最上位の群。書籍と基本完成図をもとに、5点単位で比較した当サイトの評価です。勝率や実測値ではありません。

居飛車穴熊の組み方

最短12手の組み方

速攻が気になるときは、先に金にひもをつけてから香を上げる。組む途中でも守りの駒がつながり、相手の攻めに対応しやすい。

自分の駒だけで、同じ基本形へ組む2通り。

型の違いと選び方

居飛車穴熊を使う場面

自分相手居飛車穴熊
居飛車振り飛車使う。この囲いが本来ねらっている組み合わせです。相手の飛車から遠い側のすみに玉を運べます。
居飛車居飛車形を変えて使う。相手の攻めに合わせ、上からの攻めに備えた矢倉穴熊などを選びます。
振り飛車居飛車使わない。飛車を左に振ると玉は右へ囲うので、右のすみに入る振り飛車穴熊になります。
振り飛車振り飛車別の形を使う。上からの攻めに備えた振り飛車穴熊などを選びます。中飛車から玉を左に囲う指し方もあります。
居飛車と振り飛車のちがい(盤で見る)

居飛車=飛車を右に置いたまま

振り飛車=飛車を左に振る

組み途中で攻められたら

藤井システム:穴熊を急ぐと、どう攻められるか

藤井システム対策① 3二銀型:金をつなぎ、桂の攻めに備える

藤井システム対策② 4三銀型:玉を7八に残して戦う

藤井システム対策③ 3筋からの仕掛け:囲う前に受ける

その他の急戦① 囲いを締める前は、飛車で受ける

囲いが締まる前に角を引くと、銀を取ったときに相手の角の道が玉まで通る。先に飛車で受けて囲いを締めれば、角を引ける。

② 端の桂・銀の速攻

③ 飛車交換への備え

相手が飛車をこちらの飛車先へ回し、交換を狙うときの比較。金にひもがあれば、受けに手を使わず攻められる。

固め直すか、攻めに対応するか

相手が待っていれば、銀を戻して松尾流へ。中央から動かれたら攻め返し、飛車筋が通ったら先に角を回す。

囲い側へ銀と飛車が迫ってきたら

相手の銀と飛車が囲い側に迫るこの形では、銀を上げず、角の退路を残す。

相穴熊を目指す前に、銀の進出を止める

歩で止める手も銀で受ける手も有力。銀で止める形なら、美濃囲いを選ぶ余地もある。

穴熊を見送って別の囲いにする

穴熊を組む時間があるかは、相手の攻め駒と玉の位置で判断する。構えが異なる2つの例で、見送る判断と、その後の指し方を見る。

二枚銀の速攻には、玉を残して急戦へ

相手の2枚の銀が前に出て、玉は中央にいる形。同じ局面から、穴熊を急ぐ手と急戦に転じる手を比べる。

端に角を出した中飛車には、左美濃で戦う

相手が端に角を出した中飛車の例。穴熊の金が角筋に入るのを避け、左美濃に締めて端を攻める。

組んだ後の攻め方

角と右銀の使い方

相手の構えを見て攻める

玉の堅さを生かして攻める

思う存分攻められる:玉の堅さを生かし、大駒を切って攻める手も選べる。

相穴熊では、相手の金を見る

相手の金が中央を支えるか、囲いを固めるかで、攻め合いの条件が変わる。

相穴熊での攻防

相穴熊でも、相手の銀や中央の歩を自由に進めさせない。飛車で迎え撃つ例と、中央から動く広瀬流の狙いを見る。

終盤は、玉の安全を見て攻める

穴熊に共通する終盤の例。玉が安全なら、王手をかけずに詰みを狙える。

狙われやすい場所と守り方

端を歩と桂で狙われる形

端がいちばんの弱点:香の頭を歩と桂で攻められる筋、飛車を下段から端に回す地下鉄飛車、端の桂跳ね(トマホーク)に注意

相手の戦法に合わせて備える

同じ穴熊でも、端を攻める戦法と中央を攻める戦法では、備える場所が違う。

端の歩を、どの駒で取るか

銀で最後に取り返せるか、相手の持ち歩が何枚あるかを見て選ぶ。

上からも押さえられているとき

相手の桂が上から支える形では、銀で取り返す受けが通らない。

玉の頭を歩と桂で狙われる形

玉が逃げ出しにくい:すみに収まっていて融通がきかず、玉の頭に歩をたらされ、桂を打ちこまれるとつらい

中央や右側が薄くなる形

駒がかたよる:真ん中と右側が薄く、そこを押さえ込まれると完封される。相手に入玉されるのも危険

角交換後の打ち込みに注意

角交換に注意:角を持ち合うと、打ち込まれて馬を作られるすきがある。仮想図で確かめる(角交換四間飛車、ゴキゲン中飛車、石田流が相手のとき)

金を狙う銀を、どの駒で取るか

銀が守りの金を狙った局面で、飛車と金のどちらで取るかを比べます。

金を追われたときの逃げ場所を作る

歩を取ると、金を追われた後も攻めが続く形。先に銀を引く受けと比べます。

詰めろを受けて、一手の余裕を作る

詰めろは、放っておくと次に詰まされる状態。受けた後も相手の攻めが続くかを比べる。

底歩で攻めを遅らせる

開始時に相手の持駒がなく、自分の竜が内側にいる形。

金銀を埋めて粘る

粘れる:金銀を埋めて、相手の攻め駒を使わせながら粘れる

穴熊を崩す手筋

端から攻める

上側の穴熊を攻める例。角筋で銀を動きにくくして、端へ攻め駒を集める。

玉の斜め前から攻める

玉の斜め前の歩を取らせ、金を守る銀を動かす。竜が横から金を狙う形で使える。

歩で金銀を引き離す

歩で金を前へ呼び、桂と銀で守りのつながりを崩す。

使える形:この手順では持ち歩3枚と銀を使い、竜の利きで相手の桂を押さえる。

歩が少ないとき:先に桂を使って、持ち歩を節約する指し方もある。

つるし桂

次の桂を打つ場所を作るため、先に金取りの桂を捨てる。

使える形:持ち桂が2枚あり、飛車と角が囲いの金銀をにらんでいる形。

順番に注意:順番を変えると、相手に手を抜かれることがある。

継ぎ歩

継ぎ歩で相手の歩を前へ呼び、歩を垂らす場所を作る。すぐ桂を打つ場合と、相手の受けやすさを比べる。

使える形:持ち歩3枚と桂があり、角の利きを使える形。

同じ手順が使えない形:歩が足りない形や、歩を取らせる相手の歩がない形。

地下鉄飛車(端に飛車と香を重ねる)

端に飛車と香を重ねた形から、銀を使って相手の香を取り、さらに重ねて攻める。

実戦で流れを確認する

組む途中で相手が動いた実戦の手順を復習する

歩を続けて打ち、守りの金をつり出して寄せる

守りの金を歩と角で誘い、空いた場所へ銀を打ち込む。実戦での寄せ方を見る。

よくある質問

穴熊囲いとは何ですか?

玉を盤の隅まで入れて、香・銀・金でふたをする守りの形です。 → 完成図と評価

穴熊という名前の由来は何ですか?

玉が盤の四すみ、香の下にもぐる形からです。 → 名前の由来

穴熊囲いは何手で組めますか?

このページの基本形は、自分の手だけで12手です。型によって変わります。 → 組み方(12手)

穴熊囲いの弱点はどこですか?

端と玉の頭です。 → 狙われやすい場所と守り方

穴熊にはどんな種類がありますか?

このサイトでは6つに分けています。 居飛車穴熊・振り飛車穴熊・松尾流穴熊・ビッグ4・銀冠穴熊・矢倉穴熊

相手が穴熊のときはどう攻めますか?

端と玉の頭をねらいます。 → くずし方

居飛車穴熊と振り飛車穴熊はどこが違いますか?

基本の形では、玉を入れる隅が左右で逆です。 → 振り飛車穴熊

相穴熊になったらどうしますか?

金銀の配置と攻め駒の働きを比べ、どこから先に攻められるかを見ます。 → 相穴熊のとき

穴熊に組むと勝ちやすいですか?

玉が堅い間は、多少の駒損をしても攻め合いで勝ちやすい形です。 → 玉の堅さを生かした攻め

穴熊が組めそうにないときはどうしますか?

藤井システムの4三銀型には、玉を7八に残して舟囲いを土台に戦う例があります。仕掛けられたら、囲い直すより相手の攻めへの対応を優先します。 → 手順どおりにならないとき

松尾流穴熊やビッグ4とはどう違いますか?

守りに使う金銀の配置が違います。 → 型の盤

金はどの順番で寄せますか?

相手の動きで変わります。速攻が気になる形では、先に金をつないでから穴熊に入ります。 → 金を寄せる理由

穴熊囲いは何と読みますか?

あなぐまがこいと読みます。このページの居飛車穴熊は、いびしゃあなぐまと読みます。

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