雁木

雁木とは?銀2枚で上を厚くする10手の相居飛車の囲い

公開日:2026年8月16日|最終更新:2026年8月17日

雁木(雁木囲い)とは、玉を6九に置き、銀2枚を6七と5七、金2枚を7八と5八に並べる居飛車(飛車を右においたまま戦う指し方)の囲い(玉を守る駒の形)である。銀が2枚とも前に出るので、上からの攻めに強い。組むのに10手かかる。

もくじ

雁木の完成図と組む手数

雁木は、玉を守る駒の形が10手で完成する居飛車の囲いです。系統は居飛車その他、陣営は居飛車です。

雁木の完成図(先手・10手)

陣営:居飛車/系統:居飛車その他/組む手数:10手

手数の数え方は、この盤面図に写っている形を作るのに必要な手だけです。飛車先(飛車の前の筋)を伸ばす手や、盤面図に写らない通り道をあける手は数えていません。

雁木には、右の銀を4七に置くツノ銀雁木という形もあります。上の完成図は玉が6九、右の銀が5七に上がった形です。

雁木の9項目の評価

雁木は上部の耐久力75が高く、玉の遠さ50が低い囲いです。守りの力を9つの項目で表すと次のようになります(100点満点)。

項目点数
横の耐久力55
斜めの耐久力60
上部の耐久力75
端の耐久力55
玉の広さ55
玉の遠さ50
囲いやすさ65
陣形バランス70
進展性70

上からの攻めに強いかわりに、玉が戦いの場に近く、いちばん下の段に打ち込むすきが残ります。舟囲いと比べると上部の耐久力は45から75へ上がり、囲いやすさは90から65へ下がります。

9項目の評価基準(100点満点・5点きざみ)

90〜100=全囲いでトップクラス/70〜89=強い/50〜69=ふつう/30〜49=弱め/0〜29=はっきりした弱点。

雁木の組み方

雁木の組み方は初形から10手です。はじめの5手はカニ囲いと同じ手順です。

初形 はじめの形です。玉は5九にいます。

1手目 角の道をあけます(▲7六歩)。

5手目 左の銀を6八、左の金を7八へ上げ、玉を6九へ寄せ、右の金を5八へ上げます(▲6八銀・▲7八金・▲6九玉・▲5八金)。ここまではカニ囲いと同じ形です。

7手目 6筋の歩を突き、左の銀を6七へ上げます(▲6六歩・▲6七銀)。

10手目 5筋の歩を突き、右の銀を3九から4八を通って5七へ上げて雁木の完成です(▲5六歩・▲4八銀・▲5七銀)。

まとめると、カニ囲いの5手を組んでから、6筋と5筋の歩を突いて銀2枚を6七と5七へ上げる10手です(▲7六歩・▲6八銀・▲7八金・▲6九玉・▲5八金・▲6六歩・▲6七銀・▲5六歩・▲4八銀・▲5七銀)。

雁木はどんなときに使うか

雁木を使うかどうかは、自分と相手の戦型の組み合わせで決まります。

自分が居飛車・相手が振り飛車
向きません。相手が飛車を左へ動かす振り飛車のときは、金銀が中央に寄るので舟囲いやエルモ囲いのほうが形に合います。
おたがいに居飛車(相居飛車)
本来の使い方です。上からの攻めに強いので、相手の矢倉(玉を8八まで運ぶ囲い)や早い攻め(急戦)を受け止めながら戦えます。
自分が振り飛車・相手が居飛車
向きません。左右が逆になるので、飛車を振る側は片美濃や本美濃(玉を右へ寄せて金銀で守る振り飛車の囲い)を使います。
おたがいに振り飛車(相振り飛車)
向きません。自分も飛車を振るので、金無双(相振り飛車で使う囲い)や美濃を使います。

雁木の手順どおりに組めないときの対応

雁木は、相手が急いで攻めてくると手順どおりに組めません。

相手が棒銀(銀を前に出して飛車の前を攻める戦法)や早繰り銀(銀を早く前に出す戦法)で急いできたとき
6筋の歩を突いてから、左の銀を6七へ上げる手を先に指します。7六の歩を守るのは6七の銀だけなので、この銀を上げてから右の銀を5七へ動かします。
いちばん下の段に打ち込まれそうなとき
金2枚を7八と5八に置いたまま動かしません。金が前に出ると、いちばん下の段に打ち込む場所がふえます。

雁木の急所とくずされ方

雁木の急所は、左の銀が守る歩(7六)・相手の銀が出てくる地点(6五)・いちばん下の段の空きマス(4九)の3つです。赤い印の場所が狙われます。

崩す側の攻め方は2つです。いちばん下の段の4九へ飛車を打つ攻め方と、6五へ銀を出して3つの歩に同時に当てる攻め方です。4九の飛車には玉を6八へ上がれば王手は消えますが、下の段に相手の飛車が残ります。

雁木の発展先・関連する囲い

雁木は、カニ囲いから5手すすめた形です。かっこの中は、初形から組む手数です。

雁木の相性の良い戦法

雁木と相性の良い戦法は、雁木戦法と腰掛け銀(銀を歩の上に腰かけるように上げる戦法)の2つです。

どちらもおたがいが居飛車のときに使う戦法です。雁木に組んで守りを固めてから、右の銀を前に出して攻めます。

雁木のよくある質問

雁木は10手で組め、7六・6五・4九が急所で、カニ囲いから5手すすめた形です。くわしくは次のとおりです。

雁木は何手で組めますか?

10手です。カニ囲いの5手を組んでから、6筋と5筋の歩を突いて銀2枚を6七と5七へ上げます。

雁木と雁木戦法は違うものですか?

同じ言葉ですが指すものが違います。雁木は玉の守りの形、雁木戦法はその形から攻める指し方です。

雁木の弱点はどこですか?

いちばん下の段の空いているマスです。とくに守り駒のいない4九に飛車を打ち込まれると、6九の玉に王手がかかります。玉を6八へ上がれば王手は消えますが、下の段に相手の飛車が残ります。

雁木と矢倉はどちらが良いですか?

どちらが良いかは相手の攻め方で変わります。雁木は10手で組めて銀2枚が前に出た形、金矢倉(玉を8八まで運ぶ相居飛車の囲い)は13手かかるかわりに玉が戦いの場から遠くなります。

雁木は初心者でも使えますか?

使えます。銀2枚を6七と5七に並べるだけなので形を覚えやすく、カニ囲いの形からそのまま組めます。

雁木は角を交換(おたがいの角を取り合うこと)されても大丈夫ですか?

空いているマスに角を打ち込まれます。4九に打たれると5八の金に当たりますが、この金は6七の銀と6九の玉の2枚が守っています。

▶ 囲い一覧(37種)へもどる