公開日:2026年8月16日|最終更新:2026年8月16日
打ち歩詰めとは、持ち駒の歩を打った瞬間に相手の玉がどうやっても王手を防げない状態になる反則で、指した側がその場で負けになります。
打ち歩詰めとは、持ち駒の歩を打って相手の玉を詰ませる反則のことです。
日本将棋連盟の対局規則(2024年6月7日制定・2025年1月1日改定)の第10条では、反則の1つとして「持ち駒の歩を打って解除不能な王手をかける行為」が挙げられています。
ポイントは2つです。持ち駒の歩を打つことと、打った瞬間に詰みになっていること。この2つが同時にそろったときだけ反則です。
詰みとは、玉が逃げる・王手をかけている駒を取る・間に駒を置く(合駒)のどれもできない状態です。1つでもできれば詰みではないので、歩を打つこと自体はとがめられません。
打ち歩詰めになるのは、持ち駒の歩を打った形で、玉の行けるマスが無く、その歩を取ることも、間に駒を置くこともできないときです。
①の玉は盤の角にいるので、となりのマスは3つしかありません。打った歩のマス(黄色)は歩そのものがふさぎ、その歩はななめ下の銀が守っているので取れません。玉の横は自分の桂がふさいでいて、そのまた下のマスにも銀が利いています。玉のとなりに歩があるので、間に駒を置くこともできません。だから詰みで、反則になります。
②はまったく同じ詰みの形ですが、使うのが盤の上にある歩なので合法です。この差だけで、勝ちと反則負けが入れかわります。
打ち歩詰めにならないのは、突き歩詰め・打った歩を取られる形・逃げ道がある形の3つです。
突き歩詰めとは、盤の上にある歩を1つ前に進めて相手の玉を詰ませることです。
反則になるのは持ち駒から打つ歩だけなので、突き歩詰めは何の問題もありません。日本将棋連盟も、盤上の歩を動かして詰ませるのは反則ではないと説明しています。
打った歩を相手が取れるなら、詰みではないので歩を打ってかまいません。
玉に逃げ道が1つでも残っていれば、詰みではないので歩を打ってかまいません。
反対に言うと、王手をかけた歩が詰みになっていなければ、そのあと詰む形に入っていても反則にはなりません。判定は打った瞬間の1回だけです。
打ち歩詰めの決まりは歩だけのもので、ほかの駒には当てはまりません。
金・銀・桂・香・角・飛は、打てる場所であればどれを打って詰ませても反則になりません(1段目の香や1〜2段目の桂のように、そもそも打てない場所は別の反則です)。持ち駒に歩しかないときだけ気をつければ十分です。
と金を打てるのでは、と思うかもしれませんが、対局規則では成った状態で駒を置くことはできないと決められています。取ったと金は歩として打つので、と金を打つ手そのものがありません。
打ち歩詰めを避けるいちばん簡単な方法は、歩以外の駒で詰ますことです。
持ち駒が歩しかない場合は、歩を打つ前に形を変えます。詰将棋では、この手順そのものが問題のテーマになります。よく使われる考え方は2つです。
打ち歩詰めを指すと、その時点で反則負けです。
対局規則では、反則を犯した対局者は即負けとされています。対局中に気づかず進んでしまった場合は、反則の時点に戻して成立させます。
終わったあとに分かった場合も、原則として反則をした側の負けです。ただし主催者が投了を優先する規定を別に設けている場合や、反則が分かる前に同じ棋戦・大会の次の対局が始まっていた場合は、終了時の勝敗が優先されます。
王手をかけ続けて同じ局面を4回くり返す連続王手の千日手も、同じように反則負けになります。
ほかの反則についてはやってはいけない反則にまとめてあります。
打ち歩詰めが反則である理由には、定説がありません。
日本将棋連盟の公式な説明は見つかりません。よく知られているのは「いちばん弱い駒でとどめを刺すのは失礼だから」という説ですが、それなら盤の上の歩で詰ませる突き歩詰めも反則のはずで、説明として合いません。
いつからあるルールかは、今から400年以上前の詰将棋の作品集に、すでに打ち歩詰めを避ける問題が入っていたことが知られています。理由は分からないまま、ルールだけが400年以上続いていることになります。
打ち歩詰めの判定を5問で確かめます。4問以上正解なら、実戦で反則を指す心配はありません。
打ち歩詰めについて多い7つの質問と答えです。
持ち駒の歩を打って相手の玉を詰ませる反則のことです。日本将棋連盟の対局規則第10条で、持ち駒の歩を打って解除不能な王手をかける行為として反則に挙げられています。
なりません。盤の上にある歩を1つ前に進めて詰ませることを突き歩詰めといい、合法です。反則になるのは持ち駒から打つ歩だけです。
反則ではありません。反則になるのは、打った瞬間に相手がどうやっても王手を防げない状態、つまり詰みになっているときだけです。
その時点で反則負けです。対局中に気づかず進んだ場合は反則の時点に戻して成立させます。終わったあとに分かった場合も原則として反則をした側の負けですが、主催者が投了を優先する規定を設けているときや、反則が分かる前に同じ棋戦の次の対局が始まっていたときは、終了時の勝敗が優先されます。
反則ではありません。打って詰ませてはいけないのは歩だけで、金・銀・桂・香・角・飛は、打てる場所であればどれを打って詰ませてもかまいません。ただし1段目の香や1〜2段目の桂のように、そもそも打てない場所に打つのは別の反則です。
できません。対局規則で、成った状態で駒を置くことはできないと決められています。取ったと金は歩として打つので、と金を打つ手そのものがありません。
理由には定説がありません。日本将棋連盟の公式な説明は見当たらず、弱い駒でとどめを刺すのは失礼だからという説も、盤の上の歩で詰ませる突き歩詰めが合法である点と合いません。