入玉と持将棋

入玉と持将棋とは|点数の数え方と宣言法

公開日:2026年8月16日|最終更新:2026年8月16日

入玉とは自分の玉が相手の陣地(相手側から3段目まで)に入った状態のことで、入玉した将棋でどちらも相手の玉を詰ます見込みがなくなったときに駒の点数で決着をつけるのが持将棋です。

目次

入玉とは

入玉とは、自分の玉が相手の陣地に入った状態のことです。

相手の陣地(敵陣)は、相手側から3段目までの27マスです。駒が成れる場所と同じ範囲だと考えれば分かりやすくなります。

日本将棋連盟の対局規則(2024年6月7日制定・2025年1月1日改定)の第9条では、一方の玉が敵陣に入った状態を入玉、両方の玉が入玉した状態を相入玉としています。

玉が敵陣に入った形
図に見えている3段が相手の陣地。黄色の玉がここに入った状態が入玉。

なぜ入玉すると詰みにくいのか

入玉した玉が詰みにくいのは、相手の駒の多くが前にしか進めないからです。

歩・香・桂は後ろへ1マスも動けません。銀も後ろへはななめにしか引けないので、真上にいる玉を追う力が弱くなります。

下向きの駒は上の玉を追えない
後手の歩と香が進めるのは赤い印のマスだけで、どれも下向き。上にいる玉には届かない。

そのため入玉されると、金・飛車・角・竜・馬のように後ろへもまっすぐ利く駒を集めない限り、詰ますのはとても難しくなります。

おたがいが入玉すると、両方とも詰まない状態になります。そこで勝負をつけるために作られた決まりが持将棋です。

持将棋とは

持将棋とは、入玉した将棋でどちらも相手の玉を詰ます見込みがなくなったときに、駒の点数で決着をつける決まりです。

対局規則では、どちらも相手の玉を詰ます見込みがない場合に、両方の対局者が合意して点数を数えると定められています。数えた結果、両方が24点以上あれば無勝負となり、先手と後手を入れかえて指し直します。

片方が24点に足りなければ、足りない側の負けです。

勝負がつかず指し直しになる点は千日手と同じですが、数えるものが局面ではなく駒の点数である点がちがいます。

点数の数え方

点数は、大駒(飛車と角)1枚を5点、小駒(金・銀・桂・香・歩)1枚を1点として数えます。

玉は数えません。成った駒は成る前と同じ点数で、竜と馬は5点、と金や成銀などは1点です。平手(駒を減らさない対等な対局)の最初の局面では、おたがい27点ずつ持っている計算になります。

点数
飛車・角・竜・馬5点
金・銀・桂・香・歩とその成った駒1点
数えない

数える駒の範囲は、決め方によって変わります。合意して数えるときは盤の上の自分の駒と持ち駒の両方を数えます。あとで説明する入玉宣言法では、玉を除いた持ち駒と、敵陣3段目以内にある自分の駒だけを数えます。

宣言法で数えたときの例
敵陣にある先手の駒は、玉を除いて10枚。持ち駒が無いとすると、点数は飛車5点+角5点+小駒8枚で18点。

この形は駒の枚数の条件は満たしていますが、点数が18点しかありません。この状態で宣言すると、条件を満たしていないので宣言した側の負けになります。

入玉の決め方は3つある

入玉した将棋の決め方には、24点法・27点法・トライルールの3つがあります。どれを使うかは、プロ・アマチュア・アプリで変わります。

決め方基準使う場所同点のとき根拠
24点法両方24点以上で無勝負プロの公式戦両方24点以上なら指し直し対局規則 第9条
27点法27点以上で勝ちアマチュアの全国大会後手の勝ち連盟のアマ規定
トライルール相手玉の最初のマスに入れば勝ち一部のサービス・大会点数を使わない公式の規則には無し

24点法

24点法は、両方が24点以上なら無勝負、24点に足りない側が負けになる決め方です。

プロの公式戦はこの基準です。対局規則の第9条に、合意した場合は各24点以上で無勝負・指し直しと書かれています。大会によって27点制を採用する場合もあるとされています。

27点法

27点法は、27点以上ある側を勝ちとする決め方で、アマチュアの大会で使われます。

日本将棋連盟のアマチュア棋戦の対局規定では、全国大会は27点方式を採用し、同点の場合は後手勝ちとしています。

トライルール

トライルールは、相手の玉が最初にいたマスに自分の玉が入れば勝ちとする決め方です。

日本将棋連盟の対局規則にはなく、一部のサービスや大会だけの独自ルールです。将棋ウォーズは2014年9月30日までトライルールを採用していましたが、現在は入玉宣言法に変わっています。

入玉宣言法

入玉宣言法とは、条件をすべて満たしたときに自分から勝ちを宣言できる決まりです。

相手が合意してくれないと持将棋にできない問題を解決するために作られました。ただし条件はプロとアマチュアで違います。

条件プロ(対局規則 第9条)アマチュア(連盟のアマ規定)
宣言する人自分の手番のとき自分の手番のとき
玉の位置敵陣3段目以内敵陣3段目以内
敵陣の駒玉を除いて10枚以上玉を除いて10枚以上
王手かかっていないことかかっていないこと
点数31点以上で勝ち
24〜30点は指し直し
先手28点以上・後手27点以上で勝ち
持ち時間4つの条件には入っていない(手番の時間内に行う)残っていること
数える範囲持ち駒と敵陣3段目以内の自分の駒(玉を除く)持ち駒と敵陣内の自分の駒(玉と敵陣の外の駒は除く)

どちらも、条件が1つでも欠けていると宣言した側の負けになります。数え間違いで宣言すると、その場で負けるということです。

宣言のやり方も決まっています。対局規則では、自分の手番の時間内に指し手を止めて「宣言します」と言い、対局時計を止めて対局を停止させる、とされています。

プロの宣言法は、両方の対局者が合意に至らず、手数が500手未満のときに使えます。

500手ルール

500手ルールとは、合意に至らないまま手数が500手に達したときに持将棋として無勝負にし、指し直す決まりです。

500手の時点で王手がかかっている場合は、連続王手が途切れた段階で持将棋とします。点数は関係なく、どちらの側も負けになりません。

いつまでも決着がつかない対局を止めるための決まりです。

将棋アプリでの入玉の扱い

将棋アプリやネット将棋の入玉の扱いは、サービスごとに決められています(2026年8月時点)。

将棋ウォーズは入玉将棋の宣言法を自動で行います。

公式のQ&Aでは、持将棋の判定があること、宣言の条件は玉が敵陣三段目以内にあること、先手なら28点以上・後手なら27点以上あることなどが案内されていて、アマチュアの規定と同じ内容です。

同じQ&Aで、2014年9月30日まではトライルールを採用していたことも案内されています。

入玉と持将棋の確認クイズ5問

入玉と持将棋の決まりを5問で確かめます。4問以上正解なら、入玉の将棋になっても落ち着いて数えられます。

Q1. 入玉とは、玉がどこに入った状態ですか?
正解は「相手の陣地」。駒が成れる範囲と同じ、相手側から3段目までの27マスです。
Q2. 持将棋の点数で、飛車1枚は何点ですか?
正解は「5点」。大駒(飛車・角・竜・馬)が5点、小駒(金・銀・桂・香・歩とその成った駒)が1点です。玉は数えません。
Q3. プロの公式戦で、両方が何点以上あれば無勝負になりますか?
正解は「両方が24点以上」。24点に足りない側が負けになります。アマチュアの全国大会では27点方式が使われ、同点なら後手勝ちです。
Q4. 入玉宣言法で、条件を1つ満たしていないのに宣言したらどうなりますか?
正解は「宣言した側の負け」。条件が1つでも欠けていると負けになるので、数え間違いに注意が必要です。
Q5. 入玉した玉が詰みにくいのはなぜですか?
正解は「歩・香・桂が後ろへ動けないから」。相手陣の奥に入った玉は、前にしか進めない駒では追いかけられません。下の図では、後手の歩と香が進めるのは赤い印のマスだけです。

入玉と持将棋のよくある質問

入玉と持将棋について多い7つの質問と答えです。

入玉とは何ですか?

自分の玉が相手の陣地に入った状態のことです。相手の陣地は相手側から3段目までの27マスで、駒が成れる範囲と同じです。両方の玉が入玉した状態を相入玉といいます。

持将棋になると引き分けですか?

点数しだいです。入玉した将棋でどちらも相手の玉を詰ます見込みがなくなり、両方が24点以上あれば無勝負となって、先手と後手を入れかえて指し直します。24点に足りない側があれば、その側の負けになります。

持将棋の点数はどう数えますか?

大駒(飛車・角・竜・馬)1枚を5点、小駒(金・銀・桂・香・歩とその成った駒)1枚を1点として数えます。玉は数えません。平手の最初の局面では、おたがい27点ずつになります。

24点法と27点法は何がちがいますか?

基準の点数と使う場所がちがいます。24点法はプロの公式戦の基準で、両方が24点以上なら無勝負です。27点法はアマチュアの全国大会で使われ、27点以上ある側の勝ち、同点なら後手勝ちとされています。

入玉宣言法の条件は何ですか?

プロの対局規則では、玉が敵陣3段目以内にあること、敵陣3段目以内の自分の駒が玉を除いて10枚以上あること、玉に王手がかかっていないこと、点数が31点以上あることの4つです。31点以上で勝ち、24点以上30点以下なら指し直しになります。

トライルールは公式のルールですか?

公式のルールではありません。日本将棋連盟の対局規則には無く、一部のサービスや大会だけの独自ルールです。将棋ウォーズは2014年9月30日までトライルールを採用していましたが、今は入玉宣言法に変わっています。

500手を過ぎたらどうなりますか?

合意に至らないまま手数が500手に達した時点で持将棋となり、無勝負で指し直しになります。点数は関係なく、どちらの側も負けにはなりません。500手の時点で王手がかかっている場合は、連続王手が途切れた段階で持将棋とします。

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